中田翔甲子園を去る・・・　大阪桐蔭の夏に向けての課題　対常葉菊川戦

Written on 3月 31st, 2007 at 11:56 pm by シンキチ

中田翔の春が終わった。大阪桐蔭は中田が先発し好投したが終盤に逆転され、甲子園を去った。

中田翔の春は確かに終わったが中田にとっても大阪桐蔭にとっても収穫の多い大会だった。
中田はこの大会を通じてインコースを攻められ続けた。どのチームも中田を抑えるためにかなり分析しインコースが唯一の弱点であると判断し、そこを徹底的に攻めた。

その結果、中田はインコースに目を持っていかれ、アウトコースも見えなくなった。
今大会で唯一ホームランを打った佐野日大戦は相手投手のインコースへの制球がいまいちよくなかった為、しっかりと踏み込めてホームランを打てた。

しかし、今日も１回戦の時も相手投手はデッドボールも仕方ないという気持ちでインコースを攻めてきた。これにより中田はアウトコースに全く踏み込めなくなってしまった。
今日の最終打席も真ん中にきた甘いボールが結果的にバットの先に当たりもう一伸び足りずにスタンドへは届かなかった。

中田は夏に向けて大きな課題をこの春の選抜で見つけたはずだ。

相手投手は今後間違いなく中田のインコースを徹底的に攻めてるだろう。
１３０キロそこそこしか投げない投手であれば中田は今のままでもインコースを対処する事はできるが、好投手と呼ばれる相手には通用しない事がはっきりした。

今後、中田がどのように工夫をして対処していくかは非常に楽しみである。
中田なら間違いなく克服してくれると僕は信じている。

大阪桐蔭自身もこの大会は反省の多い大会であろう。自慢の強力打線が全く機能せず、いい投手が来ると全く打てなくなった。

中田が押さえ込まれたりすると一気に畏縮してしまい、他の打者まで中田で打てないんならみたいな感じも見受けられた。まあ、推測だけでもの言うのは非常によくない事だが、中田が押さえ込まれたら他のバッターで打ち勝つのが大阪桐蔭の
底力のはずである。みんな、かなりいい打撃をしているので期待をこめて書かせてもらっている。

後、投手力は夏に向けてかなり深刻な課題になるだろう。
中田が打者で専念できるようになれば大阪桐蔭はもっと強くなる。
中田は投手として長くマウンドにたっていなかったため、投げて打っての両方をこなす、体力的なスタミナと精神的なスタミナがまだ戻っていない。
中田にスタミナをつけてもらうのも一つの方法だが理想は他の投手が中田から背番号１番を奪い取って、夏の大会に臨めるような形が一番好ましい。

大阪桐蔭に勝つには、今日の菊川のような投手戦に持ち込んで競り勝つしか勝つ方法はなかったと思う。打撃戦での接線は大阪桐蔭の十八番だから、これでは勝てない。相手打線を乗せずに、いかに少ない失点で終盤まで持って行けるかが
大阪桐蔭と試合をするにあたり一番重要な事である。

大阪桐蔭はこういう試合展開になった時にどのように状況を打開できるかが今後練習してかなければならない所だろう。相手投手に押さえ込まれている時に中田以外の誰かが口火を切って攻め方の方向性を示すしかない。

バントでも盗塁でも果敢に組み込んで攻められるようにならないと大阪桐蔭でも夏は勝ち抜けないだろう。

選手の能力は一人一人を見ても、今大会でスバ抜けていた。
しかし、夏の大会は１つの敗北が全ての終わりになる。ＰＬ学園などは今日試合をした菊川のようなロースコアの接戦を非常に得意としている。さらに、他の大阪の高校はこの試合を参考に大阪桐蔭の攻略法を立てるであろう。

桐蔭はこれら全てを跳ね返す戦い方を今年の夏の予選までに完成させなければならない。
そうしないと、激戦区の大阪で勝ち上がるのも厳しいだろう。

投手陣の整備と打線をつなげる野球が桐蔭に突きつけられた課題だと思う。

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