怪物中田がついに本領発揮!甲子園での73号、74号ホームラン。
2打席連続は1992年の星稜高・松井秀喜以来の記録。
この日の中田翔は打席内で落ち着いていた。
相手のインコース攻めにもじっくりと腰を据え、逃げることなく踏み込んだ。
第一打席、相手バッテリーは中田に対して全てストレート。
初球は真ん中の甘いストレート。中田はこれを見逃し、2球目の外のボール球もあっさりと見逃した。そして、インコースに来た3球目をファウルにし、中田の狙い球がはっきりと内に絞られているのが分かった。
そして、相手バッテリーは攻めをアウトコースに変えたがストライクが入らず、内に戻らざるを得なくなった。
しかし、それが真ん中よりに入り中田は見逃すことなく強振しレフトスタンドへ滞空時間の長い第73号を放り込んだ。
完全に中田の忍耐力が相手バッテリーを上回った。
これだけ、内を攻められて、きわどいボール球投げられるとついイライラしてどんな球にも手を出してしまうが、中田はきっちりと打てる球を待った。
これが中田の勝因である。
第3打席のホームランはまさに完璧と言っていいホームラン。
前の打席で結果を出してプレッシャーから開放されたのだろう。
中田は打席内で非常にゆったりと構えていた。顔の付近に1球、あぶないのが来たが中田はそれをまったくよけなかった。それだけはっきりと相手のボールが見えていたのだろう。
その次のアウトコースのストレートを左中間スタンドへ豪快な弾丸ライナー。
もう少し、高く上がれば甲子園新記録の飛距離に達していたのではないかと言うくらいのすばらしい当たりだった。
今回の2本のホームランはどちらもストレート。変化球をまだとらえていないのに不安は残るが、インコースへの対応に今回は大きな成長を見せた。
内に来るボール球をしっかりと見極め、内を狙ったボールが甘くなって真ん中よりに来るのを中田は見逃さずきっちりとしとめた。
この打撃は中田がこれから先もずっと取り組んでいかないといけない。
打撃のあり方である。それを中田はこの大舞台で完璧に実践し自分のものにした。
これから、対戦する投手は今日、佐野日大が実践した方法では中田を抑える事はできない。ストレートばかりを内外に投げ分けるだけでは中田は討ち取れない。次回からは緩急をつける変化球がもっと増え、内に来るボールはストライクはまず放らないだろう。
中田は今日のように、ボール球を振らず、じっくり甘い球を待つという姿勢で打席に入ればこれから先も今日のような打撃ができると思う。
中田翔は本当に平成の新怪物と呼ぶのにふさわしい野球選手だろう。
次の試合も楽しみで仕方ない。
2月 17th, 2022 at 23:26:55
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