中田がストレートに対応できていない理由を考える

Written on 3月 28th, 2010 at 4:46 pm by シンキチ

ここ数日、中田は試合に出たり出なかったりで、左投手であれば中田が先発、右投手の時は紺田が先発という分業制になっています。中田のライバルである紺田は、昨日も渡辺俊介からホームランを放つなど、首脳陣に猛烈なアピールをしていて、現状では中田よりもチームに貢献していると思われます。

対する中田はというと、開幕戦の杉内からタイムリーを打って以来、ヒットが出ていない状況。現段階ではまだ、打撃においてチームに貢献が出来ていません。

そんな中、ここまでの中田の打席を見ていてひとつ気になる点がありました。それは、このブログでも何度か書いている事なのですが、やはりストレートへの対応が出来ていないという事。どうして、甘く入ってくるストレートがファールになったり、詰まってしまうのか？これは中田の打撃をもう少し分析してみてみなければならないと思いました。

そこで、今日はすごく簡単にですが、中田と稲葉のスイングを比べてみてストレートに詰まる原因を考えたいと思います。

まず、結論から先に言うと、中田は稲葉に比べてスイングの際、回転軸が大きくブレる。言い換えると、構えた状態から、ステップ、そして、スイングという打撃工程の中で中田の軸は投手側に大きくズレてしまうのです。俗にいう、前に突っ込むという状態。

なぜ、軸が前にぶれると速いボールを捉えにくくなるのかは、打撃ではなくボールをキャッチするという事で考えれば分かりやすいと思います。ピッチャーの投げる約１４０ｋｍボールを、前に進みながらキャッチすると考えて下さい。投げたと同時に一歩前に進むのですよ。多分慣れたキャッチャーでも少し怖いですよね。逆に、「ピッチャーが投げたボールをその場で取る」というのそんなに難しい事ではありません。

これは打撃でも同じ。軸が前にぶれながらスイングするというのは、飛んでくるボールに対し前に進みながらスイングする形。これは、ボールが捉えにくくなるのは勿論ですが、こちらに向かってくる１４０ｋｍのボールをわざわざ迎え行ってスイングするのですから、それは詰まりやすくなります。

中田と稲葉大先生のスイング時の軸のぶれ方を比べてみて下さい。

中田打撃
中田翔

ピンクのラインが打撃の軸。中田の場合、トップの位置でほぼ右足の上に乗っていた軸が、ステップ、そしてスイングで、ほぼ股間付近に。打撃の軸がそれだけ前にもぶれているという事です。対する稲葉先生は。

稲葉打撃
稲葉打撃2

スイング終了まで、ほとんど軸のブレが無いですよね。

恐らく、中田と稲葉の軸のブレの差は２０ｃｍ程度。なので、そんなに大した事ではないじゃないかと思われるかもしれないですが、これが意外に大きいんです。プロの投手が投げるボールは０．４秒でキャッチャーミットに届くと言われています。中田の場合、その０．４秒間にこれだけ軸が前にぶれているので、詰まる確率が上がるのです。

まあ、これだけがストレートに対応出来ない原因ではないでしょうが、この軸のブレもその一つのだと私は思います。

稲葉は、ヤクルト時代からストレートにメッポウ強いバッターとして有名。
近くにこんなに素晴らしいお手本がいるのだから、参考にしない手はないですよね。

ファイターズは、連日、ストッパーの武田久が打たれての逆転負け。
試合後半に不安がまだ残るので、なるべく中田を含む打撃陣が奮起して、
大量得点を取る必要があります。

この３連戦では、ほとんど出番がありませんでしたが、
じっくりと打撃フォームを固め、投手陣を打撃で援護して欲しいです。

中田の奮起に期待して。
ガンバレー。

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