中田の2打席連発、優勝候補報徳の1回戦敗退、様々なドラマを生んだ春のセンバツ高校野球大会も静岡代表の常葉菊川の優勝で幕を閉じた。
全員野球、繋ぎの野球、粘りの野球、常葉菊川の野球にはこういった言葉がピッタリと当てはまる。今日の試合も最大3点差を空けられながらも中盤のピンチをしのぎ流れの来るのをじっと待った。
相手が点を取れば何とか取り返し、打たれれば打ち返した。
結果として8回までに1点差まで詰め寄り、8回2アウトから3連打で2点を奪い逆転勝ち。
まさに、常葉菊川が今大会、1回戦からずっと続けてきた諦めない粘りの野球が実った瞬間だ。1回戦の仙台育英戦、準々決勝の大阪桐蔭戦、準決勝の熊本工戦、菊川はこれら全てに全く同じ戦い方で勝利してきた。
序盤、中盤は強豪校の自力に押されながらも大怪我をしないようにじっと耐える。そして、接戦のままの形で終盤にもって行き逆転で勝利をかっさらう。
野球というスポーツは本当に変わったスポーツで試合の序盤では個々やチームの力の差がはっきりと出るが、試合も終盤になると戦力の強さなどは全くといって良いほど関係がなくなる。なぜなら、様々な要因が色んな形で絡み合い個々やチームの力をがんじがらめにしてしまうからだ。
当然、戦前に有利といわれた側は終盤まで接戦で言ってしまうと焦り始めたり自信が崩壊し始めたりしてくる。それに対し、逆の立場のチームはその接戦が自信になり勢いを増す。
よって試合の終盤まで接戦で行くと後は強い心と勝ちたい気持ちの強いほうが勝つようになっている。菊川は今大会はそういった心理的に挑戦者の立場で楽しく野球ができた。
しかし、菊川もこれからは勝って当たり前の追われる立場になる。
夏の予選や甲子園ではその追われる立場から色々な精神的なしがらみが出始める。それをいかに克服できるか、いかに自分達の野球を見失わずに突き進めるかが春夏連覇の鍵になるだろう。
春のセンバツが終わったとたんに夏の甲子園の話をすれば鬼に笑われそうだが、夏の甲子園は我らが大阪桐蔭も追う立場。中田翔も最後の甲子園で多くのしがらみから解き放たれのびのびと野球が出来るだろう。
中田率いる大阪桐蔭も原点に返り、常葉菊川のように思いっきり野球を楽しんでほしい。
今から夏が楽しみである。
12月 3rd, 2020 at 5:05:24
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