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Written on 9月 20th, 2009 at 9:55 am by シンキチ

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中田翔・08年試合結果~一年目の総括~

08年試合結果・一年目の総括

中田のプロ一年目は試練の年でしたね。プロの練習や投手、先輩や指導者に慣れるのが必死で、新しい生活や環境に順応するのに苦労をしていたような気がします。さらには、鳴り物入りでプロに入り、周りから大きな注目を浴びる中で結果を残さないといけないという焦りもあって、可愛そうになるくらい、もがいているように見えました。

その中でも中田が苦労していたのは、プロになってから始めたサードの守備だと思います。僕にも経験があるのですが、新しいポジションにコンバートされると、妙に守備の事が気になって打撃に集中できない時があります。バッターボックス内では100%でその打席に集中しているつもりでも、深層心理のどこかで守備のことが頭に残ってしまいます。中田も恐らく、そんな状況下でプレーをしていたのだと思います。

中田の一年目の成績です。一軍での出場機会はないので、下の表は二軍での成績になります。

中田翔 2008年成績表
試合 打率 打点 本塁打 打数 安打 二塁打 三塁打 塁打 得点 盗塁 盗塁刺
56 256 31 11 196 50 8 0 91 27 0 0
犠打 犠飛 四球 死球 三振 併殺
0 2 25 1 52 3

この成績をみているとやっぱり最初に気になるのが打率の低さですね。フォアボールを25個も選んでいる割には打率が上がってこないのは、やはり、一年目という事で、相手投手に対して対戦経験がなく戸惑っていたのだと思います。勿論、スコアラーからある程度の情報はもらうと思いますが実際に対戦してみないと分からない部分が多いと思います。なので、推測にはなりますが初球は振らずに投手の球筋を見るといった事が多くなり、第一ストライクをみすみす相手にあげてしまっていたのではないかと思います。これは、2年に目には間違いなく改善されると思います。

同じ理由で三振の数も多いのではと思います。相手の球筋を見すぎる事によって、カウントを悪くし、さらには慣れていない投手に対して、振りに行った時でもファールにしてしまう事が多く、気が付くと追い込まれている。そして、最後には、始めて見る相手の決め球にやられて三振するパターンだと思います。これも、経験をつめば、初球からどんどん振っていけるようになるので大丈夫だとは思います。

後、盗塁が0と言うのも気になりました。中田はまだ19歳です。こんな若い選手が一つも盗塁をしないのはおかしいと思います。中田は決して足が遅いわけではありません。さらに、体が大きいので足があまり早くないという印象を対戦相手は持っているはずです。なので、無警戒の場面が必ずどこかにあったはずです。それなのに盗塁が0というのは何となく寂しいです。僕はこの盗塁の数字を見て、やはり一年目はどこかおっかなびっくりで試合をしていたのだなと思いました。これが、少し余裕が出てくれば、ノーサインで投手のモーションを盗んで走れるようになると思います。あの落合監督が現役の時もシーズン中に二つ三つは盗塁をしていましたよ。もしも、中田が盗塁を出来るようになれば、それなりに余裕が出て、活躍し始めると思いますよ。

最後に、気になったのは打点と犠飛の数字です。本塁打が11もあって打点が31。その内、犠牲フライを2つしか打っていないのは、やはりチャンスで力んでいたのかなと思います。プロ野球で4番を張っている選手は、打点を狙う所ではコンパクトに、ホームランを狙う所ではフルスイングとTPOでしっかりと分けて狙ってくる選手が多いです。巨人のラミレスなんてその典型だと思います。チャンスでは必ずポイントを近めに置いてボールを引き付けミートを高めています。結果として、ヒットや犠牲フライを打って打点を稼ぎます。

中田には、ただのホームランバッターにはなって欲しくありません。そんな選手は助っ人外国人で十分に埋める事ができます。三冠王を何年も続けて取れるような選手になって欲しいのです。ホームラン記録更新を狙っていた時のバリー・ボンズなどは本当に投げる所がありませんでした。出てくるピッチャーが全て逃げ腰で、たまに向かっていくピッチャーが出てくれば必ず打ち崩す。なので、一試合にフォアボールの2つや3つは当たり前で、打率も脅威的な数字でした。僕は中田にもバリー・ボンズのような見るだけで相手を圧倒する最強の打者になって欲しいのです。中田には十分にその才能があります。いえ、日本の野球界においては中田以外にボンズのレベルまで到達できる可能性のある選手はいないと思います。2009年は中田の年になる事を心より期待しています。

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