野球センスって何？？其の一　バランス感覚

Written on 9月 17th, 2009 at 5:23 pm by シンキチ

野球をしていた方ならよくご存知と思いますが、「あいつはセンスがいい」とか「野球センス抜群のプレイヤー」など、「センス」という言葉をよく耳にすると思います。では、いったい野球におけるセンスとは何なんだろうか？という事を聞かれると、何かボヤっとした答えが多く、あまりはっきりとは語られません。一応僕なりに野球におけるセンスってのは何なのかと言うのを考えてみました。

まず、身体的な特徴からあげると、センスのいいプレイヤーというのは、どの選手もバランス感覚に優れていると思います。バランス感覚があるというのは、体の真ん中にしっかりとした1本の芯があり、全ての動作がその芯を中心に行われると言う事です。なので、動きが非常にスムーズで安定感があり、少しの変化では体制を崩されない状態にあると言う事です。

守備なんかを見ていればすぐに分かると思いますが、体の中心に芯がある選手は前後左右に対して非常にスムーズな動きができて、多少のイレギュラーバウンドが起こったとしても鋭く反応する事できます。

さらには、取れるか取れないか際どいボールを捌く時や、飛び込んでボールを取る場合によくセンスが表れますが、バランスがしっかりとしていれば無理な体勢での補給動作や空中での動きが非常に綺麗で、補給後も体の芯を中心にすばやく起き上がり送球する事も出来ます。他には、ショートやサード、セカンドなどに多いのですが、無理な体勢やジャンプしながら送球する場合でも、体の芯がどこにあるのか分かっていれば、しっかりと強い送球をする事が可能です。

バッティングにおいても、バランス感覚が一流と二流を分ける事が多いです。

プロ野球に入る選手はみんな高い身体能力を持っています。しかも、その身体能力は一部の怪物を除いては殆ど大差がないはずです。その中でも一流のバッターと二流のバッターが存在するのはやはり何か目に見えない大きな違いがあり、その違いが打撃成績の違いに直結しているのだと思います。僕はバランス感覚こそがその一流と二流を分ける差だと思います。

バッティングは体の中心を軸に回転させて打つというのが一般的によいと言われています。僕もその理論には異存はなく、やはりボールを遠くに飛ばす為には、綺麗な体の回転が不可欠だと思います。

そんなバッティングにおいて、バランス感覚が悪いと言うのは、言いかえると、自分の体の回転軸が体のどこにあるのか分かっていないか、それとも分かっていながらその軸を上手く使えていないのかのどちらかだと思います。センスがいい打者というのは、何も力まなくても軽い感じでボンボンとボールを遠くに飛ばしていきます。それは、やはり体の軸で回転し、少しの力でスイングしている為、軽やかに見える為、センスがよく見えるのです。

逆に、センスのないバッター（バランス感覚がよくないバッター）は、回転軸がぶれやすくどれだけ力を入れても、あまりボールが飛ばない。見た目にも、何か必死にスイングをしている風に見えてセンスがないと言われてしまいます。

また、変化球などのゆるいボールを綺麗に打つとよくセンスがいいと言われたりしますよね？あれも、バランス感覚が大事で、早いボールを待っていて、ゆるいボールがくると通常体勢を崩されてしまいます。しかし、体の軸を意識できるバランスのいい選手は、体勢が崩されにくい、もしくは、崩されながらもきちっと打てたりします。その結果センスがいいと言われます。

勿論、バランス感覚だけが選手の身体的な野球センスを表わすものではありませんが、センスのいいプレーヤーの多くは、十分なバランス感覚を備えているのは確かだと思います。